敷地形状
世田谷区の環状7号線と井の頭通りが交差するポイントからすぐ近くの住宅街に敷地はありました。都内でも指折りの大通りに近かった為、通りからの騒音問題を解決する事が大きな課題となります。住宅街ではあるものの、旗竿地(敷地延長の土地)の為、周りを建物で囲まれており、強く薄暗い印象が残る事に。また旗竿地の特徴そのままに、風の通りが悪く圧迫感に包まれていました。しかし幸いな事に廻りは高層の建物が無く、2階レベルには光が入ってくる希望を感じ計画がスタートします。
配置(ゾーニング)
旗竿地のデメリットとして、敷地の出入り口が固定されている為、間取りの自由度が極端に狭くなってしまう点が挙げられます。さらに「光」と「風」をどこから引き込むかが大きな課題となりました。まず建物をロの字の形とし、「光」と「風」の通り道を建物の中心に計画する事に。ロの字の内にあたる中庭を中心に、入口からぐるりと止まりのない動線となり、さらにその中庭から光と風を届けてくれます。中庭側に開く事により、通りからの騒音も軽減されました。
デザインコンセプト
敷地の特性上、外に閉じ内に開く計画としています。今回の計画で、プライバシー、通風、採光及び環境の点から考えて中庭の選択は必然の事でした。外部の視線を完全にシャットアウトしながら、「光」「風」を取り込みます。箱庭の存在により各部屋に二ヶ所以上の開口を可能にしました。初夏のさわやかな風が家中を吹き抜けます。
計画地選定
旗竿地は外観がほぼ見えなく、外と内との関係性が希薄になってしまう為、インテリアには細心の気配りが必要となります。まず箱庭を計画して取り込んだ光を少しでも増幅させる為、白を基調とした内観にアクセントとなる木の箱をランダムに配置しました。さらに光の通り道に透過性のある素材を採用し、空間に降り注ぐ光を少しでも逃さないよう計画しています。
建設地:東京都世田谷区
用途地域:第1種低層住居専用地域、
第1種中高層住居専用地域
敷地面積:52.79㎡(15.96坪)
1階床面積:29.90㎡(9.04坪)
2階床面積:29.90㎡(9.04坪)
延床面積:59.80㎡(18.08坪)
建築面積:30.62㎡(9.26坪)